PURE BREED
クリスマスローズ原種
クリスマスローズ名前の由来
クリスマスローズは、Ranunculaceae(ラナンキュラス)つまりキンポウゲ科Helleborus(ヘレボルス)属の多年生草本(宿根草)です。
ヨーロッパではクリスマスローズと言うとヘレボルス・ニゲルを指し、開花がクリスマスの時期と重なり花をバラに見立てた事からその名が付いたとされています。
日本国内ではそのネーミングの愛らしさから、ヘレボルス属に該当するすべての種を“クリスマスローズ”と呼んでいます。
クリスマスローズ(ヘレボルス)原種の分布
クリスマスローズ(ヘレボルス)の原種は亜種亜節を含め約25種から構成されています。
種によって自生分布は様々ですが、ヨーロッパ全域から西アジアに広く分布、ヨーロッパから遠く隔離された中国の四川省や甘粛省に分布しています。
クリスマスローズ原種の育て方
クリスマスローズ原種の育て方は画像(PDF)をクリックするとご覧いただけます。
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クリスマスローズ(ヘレボルス)の種類
ニゲル 有茎種
Helleborus niger
【原生地】イタリア・ドイツ・スイス・オーストリア・スロベニア・クロアチアなど
【花色】白(咲進むにつれ赤に染まる個体もある)
【草丈】20~40㎝
【性質】弱アルカリ土壌(PH6.5)を好む
※ガーデン植栽向き
ベシカリウス 有茎種
Helleborus vesicarius
【原生地】トルコ・シリア
【花色】つぼ型の花で緑に帯状の海老茶
【草丈】40~60㎝
【性質】乾燥を好む 過湿に注意
※ガーデン植栽向き
アーグチフォリウス 有茎種
Helleborus argutifolius
【原生地】フランス(コルシカ島)イタリア(サルデーニャ島)
【花色】黄緑~緑
【草丈】40~120㎝
【性質】陽光性・乾燥を好む 過湿に注意
※ガーデン植栽向き
フェチダス 有茎種
Helleborus foetidus
【原生地】イギリス・スペイン・ポルトガル・ドイツ・フランス・イタリア・スイスなど
【花色】緑 花弁の先端に紅の覆.輪が入るものもある
【草丈】40~80㎝
【性質】陽光性・乾燥を好む 過湿に注意
※ガーデン植栽向き
リビダス 有茎種
Helleborus lividus
【原生地】スペイン(マジョルカ島)
【花色】あずき~緑
【草丈】20~50cm
【性質】陽光性・乾燥を好む 耐寒性に欠ける
※鉢植え向き
デュメトルム 無茎種
Helleborus dumetorum
【原生地】ハンガリー・オーストリア・スロベニア・クロアチア・ルーマニア・セルビアなど
【花色】緑
【草丈】15~35cm
【性質】芽分岐が活発 弱アルカリ土壌を好む
※鉢・庭植え向き
クロアチカス 無茎種
Helleborus croaticus
【原生地】クロアチア
【花色】緑~暗紫 複色(バイカラー)
【草丈】15~30cm
【性質】弱アルカリ土壌を好む
※鉢・庭植え向き
アトロルーベンス 無茎種
Helleborus atrorubens
【原生地】スロベニア・クロアチア
【花色】緑~暗紫 複色(バイカラー)
【草丈】20~45cm
【性質】弱アルカリ土壌を好む
※鉢・庭植え向き
オキシデンタリス 無茎種
Helleborus occidentalis
【原生地】ドイツ・フランス・ベルギー・スペインなど
【花色】透明感のある緑
【草丈】30~45cm
【性質】弱アルカリ土壌を好む強健種
※鉢・庭植え向き
オリエンタリス 無茎種
Helleborus orientalis sp.orientalis
【原生地】トルコ
【花色】淡黄~桃色で複色花、スポットの入るものもある
【草丈】35~50cm
【性質】強健種
※鉢・庭植え向き
アブチャシクス 無茎種
Helleborus orientalis sp.abchasicus
【原生地】グルジア
【花色】桃~紫
【草丈】35~50cm
【性質】強健種
※鉢・庭植え向き
グッタータス 無茎種
Helleborus orientalis sp.guttatus
【原生地】ウクライナ
【花色】白~薄黄で花弁の基部に細かいスポットあり
【草丈】35~50cm
【性質】強健種
※鉢・庭植え向き
オドルス 無茎種
Helleborus odorus
【原生地】ハンガリー・スロベニア・ボスニア・ヘルツェゴヴィナなど
【花色】黄緑~緑
【草丈】20~45cm
【性質】強健種
※鉢・庭植え向き
シクロフィルス 無茎種
Helleborus cyclophyllus
【原生地】ギリシャ・マケドニア
【花色】黄緑~緑
【草丈】30~50cm
【性質】弱アルカリ土壌を好む
※鉢・庭植え向き
プルプラスケンス 無茎種
Helleborus purpurascens
【原生地】ハンガリー・ポーランド・ウクライナなど
【花色】青~紫で複色花あり
【草丈】25~40cm
【性質】弱アルカリ土壌を好む
※鉢・庭植え向き
ヴィリディス 無茎種
Helleborus viridis
【原生地】イタリア・スイス・フランス
【花色】薄緑~緑
【草丈】30~40cm
【性質】強健種 弱アルカリ土壌を好む
※鉢・庭植え向き
ムルチフィダス 無茎種
Helleborus multifidus sp. multifidus
【原生地】スロベニア・クロアチア
【花色】緑
【草丈】25~40cm
【性質】強健種 弱アルカリ土壌を好む
※鉢・庭植え向き
ヘルツェゴヴィヌス 無茎種
Helleborus multifidus sp. hercegovinus
【原生地】ボスニア・ヘルツェゴヴィナ
【花色】緑
【草丈】25~45cm
【性質】葉の亀裂が極端に多い 弱アルカリ土壌を好む
※鉢・庭植え向き
イストリアクス 無茎種
Helleborus multifidus sp.istriacus
【原生地】イタリア・スロベニア
【花色】緑
【草丈】25~45cm
【性質】芳香性個体あり 弱アルカリ土壌を好む
※鉢・庭植え向き
ボッコネイ 無茎種
Helleborus bocconei
【原生地】イタリア(トスカーナ及びシチリア島)
【花色】黄緑
【草丈】30~50cm
【性質】芳香性種 強健種 弱アルカリ土壌を好む
※鉢・庭植え向き
リグリクス 無茎種
Helleborus liguricus
【原生地】イタリア
【花色】黄緑~緑
【草丈】25~40cm
【性質】芳香性種 強健種 弱アルカリ土壌を好む
※鉢・庭植え向き
トルカータス 無茎種
Helleborus torquatus
【原生地】ボスニア・ヘルツェゴヴィナ・クロアチア・モンテネグロ・セルビア
【花色】緑~暗紫 リバーシブルやベイン個体も存在
【草丈】30~45cm
【性質】生育緩慢 弱アルカリ土壌を好む
※鉢・庭植え向き
セルビカム 無茎種
Helleborus serbicum
【原生地】セルビア・モンテネグロ
【花色】緑~暗紫 リバーシブルやベイン個体も存在
【草丈】30~45cm
【性質】生育緩慢 弱アルカリ土壌を好む
※鉢・庭植え向き
アブルジクス 無茎種
Helleborus abruzzicus
【原生地】イタリア
【花色】緑
【草丈】40~50cm
【性質】強健種 弱アルカリ土壌を好む
※鉢・庭植え向き
チベタヌス 無茎種
Helleborus thibetanus
【原生地】中国(甘粛省・四川省)
【花色】薄桃色 花弁にベインが入る個体あり
【草丈】30~60cm
【性質】生育緩慢 潤湿な環境を好む
※鉢・庭植え向き
原種の個体変異
VARIATION
すべての個体に共通して現れる“個体変異”や“突然変異”についてお話します。
クリスマスローズはもちろん、どんな植物にも出現する現象で、たとえば斑入種・アルビノ・染色体異常による形状変化などです。
どれをとっても観賞価値に優れるかどうかは別問題として、植物マニアには収集の対象になる希少な個体という事になります。
とりわけ観賞価値の高い斑入りの個体を紹介いたします。
個体変異とは異なりますが、原種を栽培する上で認識しなくてはならない事として、個体差があげられます。
花の形状や花色の変化、葉の形状などもこの個体差になります。
それらの個体差を見極める事で楽しみ方がさらに増す事でしょう。